高所登山

無酸素こそが高所登山・・・気圧との闘いである 
酸素ボンベを使用しては高所登山にはならない
8000mの高貴な山なのに酸素を吸って6000m台に
値打ちを下げてまで登る意味が何処にある?

ヒマラヤの八千メートル峰の登山のベースキャンプは4000mから5000mに有ります。ここまで歩くこと無しに入れる山もあります。したがって8000mの山なら3000~4000mの標高差を登れば良いのです。御殿場から富士山の頂上に登るのと標高差は大差ないのです。この標高差を一気に駆け登る、冨士登山マラソンが行われるくらいです。
ところが、同じ標高差なのにヒマラヤの高峰は1~2ヶ月もかかります。
何が原因かというと酸素の濃度が違うからです。八千メートルの高度では一歩あるくのに5、6回呼吸しないと動けないくらい苦しいのです。一万メートルの高度を飛んでいる飛行機の中では走ることもできます。飛行機の中は加圧して二千メートル前後の酸素の濃度にして有るからですね。もし、飛行中に加圧装置が故障したとすると乗客は低酸素の為に数分で失神して、そのまま飛行を続ければ死に至ると思われる。
飛行機は酸素マスクを天井から供給しながら急降下することになっています。
五千メートルで酸素は半分、八千メートルの高度では三分の一になるのです。酸素ボンベより酸素を供給し続ければ一万メートルでも二万メートルでも登れるのです。ところが、酸素ボンベを使わないとすると、自分の身体を三分の一の低酸素に順応させなくてはなりません。
基本的にはこの高さには順応できませんが、高度に心肺機能を鍛えて上手に順応させれば1ないし2日くらいは生命を維持できる。マラソンは走り始めて30km位で体内に蓄えられたグリコーゲンが燃え尽きて走れなくなるものです。それを長いトレーニングで体内にエネルギーを蓄えられる身体に鍛え上げて、42.195mを殆ど同じピッチで走りきる体力、気力を養うのです。
高所登山もマラソン選手のように心肺機能と登山技術を磨けば8000m峰の無酸素登山を可能にすることができるものです。

ところが、日本の登山隊においては、ベースキャンプ以上では一切シェルパやポーターを使わずに、自分達だけで、荷揚げやルート工作をしながら、無酸素で日本の山を登るような登り方をする人が、殆ど無くなったのはさみしい限りである。
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